これからの年金制度
 年金について何らかの対策案を考えてみようと始めたこのコーナーですが、そのためには新しい国民年金法について重要なポイントを理解する必要があります。年金の話というのはつい難しくなってしまうのですが、ちょっとだけ我慢して読んでください。
なにかと批判の多い国民年金法ですがじつは私は一定の評価をしています。前回にも述べたとおりこれからは年金保険料が減って言って逆に年金受給者は増えていく以上、バラ色の改革は出来っこない。だからただ耳ざわりがいいだけの「改革案のようなもの」はもう要らないわけです。その点「厳しい将来」に目をそらさずに対応する具体案を盛り込まれていることはまずは評価すべきだと思います。
さて最初のポイント、いわゆる「マクロ経済スライド」と言われている制度(簡単に言うと被保険者(年金保険料を払う人)が減れば年金額は減りますよという制度)はこの法律の目玉でしょう。年金額の減る制度の何が目玉だと「お目玉」を頂きそうですが、潔く現実を直視し具体的に制度化したということです。それでは年金保険料を払う人がどれだけのペースで減るかというと、もちろん法文にはその数字は書いてありませんが、厚生労働省の予測の「年率0.9%」から計算してみると30年で27%減少するということになります。現在の年金額を下回ることは将来にかけてもないことは法に定められているので必要以上におびえることはないのですが、今までの制度では年金は物価上昇にスライドして給付額が計算されインフレに負けなかったのが、これからはそこから人口減少分が差し引かれるので今までよりはインフレに負けることになるということです。
もうひとつのポイントは「繰り下げ受給」です。これは65歳から年金受給するのを5年我慢して70歳から受給することにすれば大きなボーナスがもらえるという制度です。一例を挙げれば基本的には65歳から年金220万円受け取るとしてその人が受給開始を70歳からにすればそこからの年金額は312万円になります。
次号では上の二つのポイントと厚生労働省が想定しているインフレ率、名目賃金上昇率、マクロ経済調整率、運用利率などを参考にして(1)65歳から受け取る場合、(2)繰り下げて70歳からの場合、また(3)繰り上げて60歳からの場合の計算例を出して「得をする受給方法」を考えてみたいと思います。